hearing the unheard voices

小鳥たちと対話し、自然と人とが調和できるバード・サンクチュアリを創立しています。http://homepage2.nifty.com/birdsanctuary/index.html

(‘和〔環〕’の森なのですが・・・)ケルト神話の樹々 ~2~

my bird sanctuary 第一号候補地の北側の根太い荒れ竹・枯れ竹を(ほんの少しだけれど)力仕事で片付けて、何とか創れたスペースに

シラカバ

シラカバ(日本シラカバ)の苗木、

そして南側、隣の土地の方が他への水を引くために水をためていて、その関係でぐちゃぐちゃの湿地状態になっている場所に、

トネリコ

トネリコの苗木、

植樹しました。シラカバは荒地でも一等先に芽吹く樹木で、ただ、冷涼な土地を好むので、北側を選び、トネリコは湿地帯に生育できるため古くから田の畦に植えられてきたというので、南側の湿地帯に頑張って根を張って緑を増やしてもらおうと植えたのですが・・・・。

不思議な一致点があります。

どちらも、鳥さんの好む実をつけるわけではないのですが、樹形がとても美しく、環境が厳しくてもすっくと伸びて、しなやかだけれど、何とも言えない威厳と風格を持っています。そして、優しい ・・・・ とっても、とっても、好きで、憧れる樹木です。それでね ・・・

シラカバはケルト神話で「宇宙樹」として信じられており、トネリコは北欧神話で「宇宙樹(ユグドラシル)」とされているのです。

宇宙樹 -- 天界と地界とをつなぎ、生命の環の中心となる、気高く大きな木。

南と北に宇宙樹?! うち(my bird sanctuary)のは、まだちびっこの苗木だけれど、南と北をしっかり守ってくれるに違いありません。

どちらも苗木として届いたとき、すでに葉を落としていましたが、ちょっと近寄りがたいような、とてつもなく spiritual なエネルギーを力いっぱい宿しています。
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危機一髪 ・・・・・

ずっと雨が降らず、心配して my bird sanctuary 第一号地へと向かった日のことです。
(就業している方の仕事が大変な時期なので、このところ、1週間に1度、とにかく植物達にお水をあげに出かけるのが精一杯となっています)

玄関前に愛車Toraちゃんを留めて、締め切っていて湿気を帯びている古い家の窓をバタバタッと開けて風を通して、ここを『聖地』としていくためのお祈りをする小さな祭壇コーナーのお水を取り替える -- これが大体、いつもの手始めのパターンなのですが、井戸からの綺麗なお水を流そうと、家の裏手に回って、電動式の井戸の電気スイッチを入れようとしたとき、

 バサバサバサ--

鳥の羽音が聞こえました。

気にせず井戸の様子を見て、あ、大切なツノハシバミの木がお水不足で枯れかかっちゃっているな -- と焦ってお水を取りに戻ろうとして、

 バサバサバサ--
 「ピーツ」   「ピーツ」

羽音と共に、小鳥の鳴き声 ・・・ 声の音質から、《緊急事態の鳴き声》だということがわかりました。

あれ、何? 何が起こっているの? どこに居るの? とわたしのこころは、ツノハシバミに早くお水をあげたいという気持ちと引き裂かれそうですが、《緊急事態》は無視できません。そして何と、池の水面を動くものが -- !!!

ヒヨヒナ1

-- (呆然) 鳥が、池に、落ちてる。
-- ずぶ濡れのからだで、水面を、ばさばさと羽ばたくが、水を横切るのが精一杯みたいだ。
-- 池の縁や、池に倒れかかっている枯れ竹に何とかつかまって、怯えているみたいだ。

-- こりゃ、大変だ -- !

脅かさないように、そうっと池の縁に近付いてみると、大人の鳥よりは小さくて、嘴の周りにヒナのしるしの薄黄色の縁取りがあり、どう見ても、巣立ち間際か巣立ち直後のヒナが水に溺れかけているもようだということが分かりました。まだまばらにしか生えていない羽がずぶ濡れで、ぼろっとした感じですが、色合いと姿は ・・・ ヒヨドリのヒナです。(それにしても、池の周辺の地面は、池から掬い上げた泥を積み上げただけなので、下手に長靴でズボッと入り込むと「底なし沼」のようにどこまでも沈んでいき ・・・ 「大変キケン」ということで、普段は一定の距離からは近付かないようにしていました。また、近付くときは、一人で仕事をしている時間ではなく、必ず誰かが居るときにして、いざとなれば助けを呼べるようにしていました。このとき、状況を把握しようと、池の周辺をめちゃくちゃ歩いたのですが、よく沈まなかったものです)

・・・ 事態を把握したら、あとは冷静に行動して、この子を救助するためのレスキュー隊出動です!

まず家に戻って、仕事着に着替え、長靴を履いて、ゴム手袋をして、今度は用心深く、雨水を流す溝に蓋をしてあるところから池に近付きます。池の周辺には、この土地に生えている竹を切って組んだ竹垣があるので、竹垣の上から長靴で片足池に入り込んで、様子を見ます(雨が降らないのを、苗木たちのために嘆いていたけど、降ってお水が溜まっていなくて良かった!)。長靴が沈み込む場所もありますが、場所を選べば、この子を助けるために、(もちろん何かにつかまりながらだけれど)池の底で踏ん張ることもできそうです。

まずは、わたしの出現で逃げ出したこの子(ヒヨドリのヒナ)が、池に倒れかかっている竹につかまっているので、その竹ごと持ち上げてみようとしました。いいところまで行ったのですが、途中で、この子はポチャンと落ちてしまい、

 キューッ

と悲鳴をあげて、半分溺れながら、今度は竹垣の下辺りにつかまります。あ、かなり怯えている、落ち着かせなきゃ、でも急がなきゃ(←自分も落ち着け!)と念じ、なるべく静かに、優しく、話し掛けながら、ヒナに近付きます。(←こちらも、池の中で泥だらけでいつ沈み込むか分からないんで、「静かに、優しく」は大変です) 

かなり怯えて、逃げようとはしたものの、近付いて、二度目のトライで、何とか捉まえることが出来ました。(「静かに、優しく」というよりは、最後はリキ入れて無理やり両翼押さえて捉まえてしまったかも? 溺れかかっている子の体力、そうそう消耗させられないでしょう)

ヒヨヒナ2

-- うわぁ~大変。怯えきってて、泥だらけだし、もともとまだ子どもで、羽もすかすか。
   (翼の上、肩のあたりに幾つもの白い軸が見えますが、これは「筆毛(ふでげ)」、「羽の子ども」みたいなもので、莢になっており、ここが伸びて、パカッと割れると、中から羽1枚が出てきます。大人のような翼を持つ、準備段階にこの子はいます)

この子をどうすればいいか脳の高速回転で思案にくれながら、まずは柔らかい草のある辺りに連れ出します。思い出したように「キュゥー」と叫んで逃げようとしますが、また近寄ると、「ワタシドウシタラ良いの?」とでも言うかのように、じっとうずくまって円らな瞳でわたしを見つめます。半分は人間を恐れることを知っているけれど、半分は無垢なまま疑うことを知らない。半分は溺れていたショックでパニック状態だけれど、半分は事の重大さもわからずあどけない。

羽ばたいても地面すれすれに50センチくらいしか飛べないので、最初、お水でこびりついてる泥を落としてあげたいと思ったのですが、外付けの蛇口のところに連れて行ってたらいの中に入れ、お水をかけようとすると、ものすごく怯えました。ごめんごめん、もうしない。このままでも、羽が乾けば、少しよくなるといいのだけれど--。

ヒナは、わたしが近付いて話し掛けると、反射的にパクッと嘴をあけます。親がヒナにえさを持ってきたときの行動です。どのくらい長い間、池に落ちていたかは分からないけれど、状況によっては非常におなかがすいている可能性もあります。わ、困った。食べないでいた時間が長いと、池で溺れていたことだけでなく、体力消耗が激しいことになるので、早く何とかしなければなりません。

運の悪いことに、この日に限って、職場の研究室の卒業生の方が遊びに立ち寄り、お昼をご馳走することになっていたため、何も食べ物を持ってきていません。実はわたしは、以前にも職場の在るつくばで、学生達が拾ってきた(?)巣から落ちた迷子らしいヒヨドリのヒナを、めぐりめぐって一晩介護したことがあるので、ヒヨドリのヒナに緊急用に食べさせるものや食べさせ方は分かっていました。そうしたもののリストが頭を駆け巡るのですが、、、、、

目の前に、熟した実を沢山つけている柿の木がありました。一番熟した実をもいで、小さくちぎって、ヒナ色の残る嘴の端にそっと落としてみるのですが、ぱくっと口は開くものの、飲み込まず、この子は柿をまだ食べものと認識しないようです。そうか、多分、お母さん(親鳥)から、虫を砕いてもらっているんだね。う~ん、君が極端におなかをすかせていたとしても、強制給餌(無理やり、鳥にえさを飲み込ませる)をするには、最低スポイトが要るし--。

う~ん、これは早くこの子をつくばに連れ帰って、何とかすべきかな? いや、でも、そうすればこの子を自然に還すことが難しくなってしまう。体力復帰して、もう一度連れて帰ってきたら、その時点では親鳥はあきらめているかもしれないし、勿論この子は一人で自活できるだけにはなっていないだろう。最終的には、このくらいのヒナを健康に育て、いずれは野に暮らす野鳥として、この地でヒヨドリさんとして生きていってもらうための世話と訓練の全責任をおえるのか -- (できるだけのことは勿論するつもりで、ただ、それが並大抵のことではないことは分かります。わたしだけでなく、この子にも、大変な努力と幸運が必要です)

ヒヨヒナ3

体力さえ何とかなれば、やっぱり親の下に返すのが一番です。ただ、落ちた状況を知らないし、どうして、いつ、落ちたのかも分からないため、親が今どうしているのか、巣はどこなのかも把握できません。(この池の周辺は、背の高いアカシデの木とシイの木、小さなアオキの木が自生しているところに竹やその枯れたものがみっしりと絡まっていて、小鳥が巣をかけるのに適した場所ではなく、これまでもそうした様子はなかったのに、このヒナはどこから来て、どうして落ちたのでしょうか。) 

親は、この子が落ちてしばしは、助けようと試みたけれど、一端諦めてどこかに行ってしまったのかもしれない。それでも、この辺りで子育てをしていたのなら、また戻ってくる可能性はあります。この子の体力さえ大丈夫なら、親がやってくるのをしばらく待ってみた方がいいのかもしれません。

ただ、周辺にはカラスが群れとなっているし、頭上ではトビが何羽か旋回しています。トビは生きているものは襲わない、このくらいの子は襲わないと思うけれど、カラスや猫に見つけられたら、格好の〝獲物〟〝えさ〟となってしまうでしょう。それが心配で、まずはホッタラカシにはしておけなくて、とりあえず新聞紙を敷いたダンボール箱の中で落ち着かせます(鳥は、暗くなると、とにかく静かになります)。そして、親がやってくるか、ヒヨドリの声がどこからか聞こえてくるか、しばらく様子を見ました。

その間に、葉が枯れかかっているツノハシバミや植木鉢の苗木たちにバケツで汲んだお水を上げます。なるべく、池の在る〝現場〟に近付かないようにして、親ヒヨドリが警戒しないでやってくるのを祈ります。

しばらくすると -- 親かどうかはわかりませんが、少なくとも、ヒヨドリが「ピーッ」と鋭く鳴きながら飛んでいるときの声が聞こえました。ずっと、ヒヨドリの鳴き声のヴァリエーションには興味を持っていたのですが、もう少し習熟して、それが「親が子を捜すとき、呼ぶときの声」かどうかが聞き分けられるまでになっていなかったのが悔やまれます。でも、少なくとも、カラスが狙っている気配もなさそうです。

親だとすれば、ダンボール箱にいるのも警戒するかもしれない。カラスにだけは注意して、この子がいることをはっきりアピールした方が良いかな ・・・・ と、ヒナが充分隠れられるだけ草(タデ)が生い茂っている池の左側のコーナーに、ヒナをそっと置きます。

ヒヨヒナ4

草叢でじっとしているヒナ。早く、早く、お母さんやってきて! この子を見つけて、ごはんを上げて、早く安全なところに誘導してあげて!

 ピーッ ピーッ

あ、声が聞こえます。池の左端に自生しているアオキの木に、〝大人の〟ヒヨドリが止まりました。

ヒナが反応して、草叢から飛び出します ・・・・  

-- でも、やってきたヒヨドリは、飛び去ってしまった。

せっかく一羽、ヒヨドリが飛んで来てくれたのに、行ってしまって、飛び出ていったヒナはどうなったのだろう、とそっと近付きます。

ヒヨヒナ5

ヒナは、池の横に何本も重ねてある枯れ竹の中に入り込んで、ちゃっかりうまく隠れ場を作っていました。お、君は、ナカナカかしこいね。(それとも ・・・ 後で思うと、このときやって来たヒヨドリに、『ピーッ(とりあえず、早く) ピーッ(そこに隠れなさい)』と言われたのかも知れない)

ちょうど時間が来て、訪ねてくれた卒業生も一緒に思案してくれます。柿の実は食べない、と話をすると、「虫、つかまえましょうか?」とすぐ申し出てくれて、さすが、見込んだだけある昔の教え子! ただ、とりあえず安全なところに隠れたので、もう少し様子を見よう、もし親鳥だったとしたら、人間の気配に、近づけないでいるかもしれないので、ちょっと離れましょう、ということになりました。

ヒヨヒナ6

ヒナはキョロキョロ ・・・ さっきの〝大人〟を探しているのかな?

ここで、わたしたちが家の中に入ると -- 〝大人〟はまたやってきました。

ここからは、家の中の祭壇の窓から、隠れながら(親鳥を脅かさないように)観察しました。

親鳥は、アオキの木に止まり、その中ほど(地上から50センチのところ)に止まって、ピーッと声をかけます。ヒナが飛び出して、アオキの木の根元まで地面すれすれをちょっと飛び、ちょっと飛び、で辿り着きます。親鳥は、ピーッと鳴きます ・・・・・

ヒナは -- 下にいます。そのまま、3分以上の時がたちました。「もお~! おなかすかせているんだから、早く降りていってごはんをあげて!」とわたしがはらはらしそうになったとき ・・・・・

びゅん! 

と(一瞬のことで、よく分からなかったのだけれど)ヒナの方が、親鳥のいる木の繁みの中まで、飛び上がりました。

-- わッ
-- そうか、親鳥は、ヒナがおなかをすかせているにもかかわらず、まず木の繁みの中にリードしたかったんだね。
-- 良かった!

-- 1回目に来たときも、とりあえず安全を確認するまで、ヒナに安全な場所(竹の積んである場所)を教えていったのかもしれない。かしこいぞ。

きっともう大丈夫。ヒヨヒナちゃん、本当に本当に良かったね。どこに巣があって、どこからやってきて、どうして落ちたのか、見当もつかないけれど、今度から気をつけなさいね。そのためには、早く大きくなって、沢山飛ぶ力をつけて、それから、生き抜くための賢さを、一杯身につけるんだよ。

*******

親鳥がヒナをうまく誘導して、安全な場所まで連れて行き、そこで子育ての仕上げを日々つつがなく続行し、この子が立派なヒヨドリとなってこの森で暮らすようになり、サンクチュアリ創りに汗を流しているわたしたちのところに、時折「ピーッ」と挨拶の声をかけに寄ってきてくれる(ほどほどの距離まで)ことを祈りながら、わたしたちは遅めのお昼ご飯を食べに出かけました。

お昼ご飯から戻ってきたとき、そっと、そっと、池の左側、それから周辺全体に忍び足で近寄り、辺りを見回してみましたが、ヒヨドリの親子の姿は、影も形もありませんでした。(無事に、奥の鬱蒼とした竹林、あるいはそのさらに奥?の住み慣れたところまで、行けたんだね)

あと1日早く、あるいは1日遅く、サンクチュアリの仕事をしにきていたら、どうなったか。あるいはあと1時間でも遅く、到着していたらどうなったか -- 想像してもわかるものではありませんが、あの子が自力で池から飛び上がれたかどうかは疑わしいので、この日、この時間に、到着して本当に良かったです。池は、この地を手にしてから、大分規模縮小しましたが、こんなことがあるなんて、これからのメンテナンスを色々工夫していく必要がありそうです。それにしても、ちょっぴり、『バードサンクチュアリ(鳥の聖地)』らしい仕事が出来た気分になれました。そして、この日、この時間に到着できて、神様、本当にありがとう!






 

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