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hearing the unheard voices

小鳥たちと対話し、自然と人とが調和できるバード・サンクチュアリを創立しています。http://homepage2.nifty.com/birdsanctuary/index.html

初冬の雑木林1 ~野鳥の水浴び場を創る~

鳥たちの水浴びの光景をご覧になったことがありますか? 

種類にもよるし、各々の個体によって好き嫌いもあるようですが、一般的に鳥たちは水浴びが好きです。そして、からだの機能を保つためにも、水浴びは大切だそうです。冬でも冷たい水に入って、じゃぼじゃぼやります。

透明な水しぶきをきらきらと跳ね上げて、翼をばたばたやって、一生懸命水浴びをする姿には、心底見とれてしまいます。

でも、自然の中では、水浴びをするときは、いつもの隠れ場所から出て比較的目立つことをすることになるし、水で濡れた羽や翼は重くなります。だから、野鳥たちは水浴びする前は、随分慎重に辺りをうかがいます。

水浴びする池や湖、水溜りが安全だとわかると、今度は水に恐る恐る近付いて・・・ でも、浴び始めると、やっぱり、ばしゃばしゃ、夢中で洗っちゃうもんね。

だから、野鳥たちが外敵から狙われないで、安全に水浴びできる場所は貴重です。そんなところは、入れ替わり、立ち替わり、いろんな鳥たちが水を浴びにやってきます。

もう20年以上前になりますが、大学生の頃、よく山中湖の別荘地にバードウォッチングに行きました。そこには、そんな水浴びのスポットがあって、小さなテントを張って、座って待っていると、数々の美しい野鳥たちがやってきて、かわるがわる水浴びをしてくれました。座っていながらにして、森や山に棲む珍しい野鳥たちの、愛嬌たっぷりの姿を観察できたものです。

小鳥や緑を守る bird sanctuary となる土地が探せたら-- 続く夢はね、野鳥たちの水浴び場を創ること。安心して、盛大に、ばしゃばしゃやってくれるのがいい。小さな鳥たちも、他の種との競合において弱くて気の小さな鳥たちも。そして、いつでも、綺麗な水を確保しておいてあげたい。
 だから、できれば、清浄な水が土地に流れてくれて、土地はその水の流れを、守るような感じが良いな。 ←贅沢かも

エコロジーも考えて、雨水利用、なんていうのもやってみたい。
そのためには、いろいろ勉強しなくちゃ。

そんなこんなで、休暇を取って、行って来ました -- またまたS先生の雑木林。S先生のところでは、夏は、ボーフラがわくのを避けて、水浴び場はやめて、冬だけ、野鳥たちの水浴び場をつくります。ルリビタキ、ジョウビタキ、クロツグミやシロハラ、四十雀、メジロ、ヒヨドリ、シメにカワラヒワ、モズ、ほんとに色んな野鳥たちが、時には何羽も一度に、ばしゃばしゃやるんです。
 「そろそろつくってやろうと思っている」と電話を戴いてから、「今年のジョウビタキが、まだか、まだか、とのぞきに来るよ」というのに、気が気でないけど待ってもらって、やっと休暇が取れたので、池づくりの演習がスタートしました。ジョウビタキさん、遅くなりまして、ごめんなさい!


池:作業前


ここが、夏の間は埋め立てていた、池の出来る場所です。

サイトの方の、my bird sanctuary に書いた、藤本氏の『身近な自然のつくり方』や『野鳥を呼ぶ庭づくり』にも説明がありますが、野鳥だけでなく、蜻蛉などの昆虫や魚、サンショウウオなどが来るように、それぞれの生息環境や条件を理解して、池にはさまざまな工夫をすることが出来ます。

S先生のところの池は、今は冬鳥の水浴び専門。上の写真にある大小さまざまの大きさの石をどけると、最深で70センチくらいの大きな広い穴が掘ってあります。その穴の底面は、水の入り込む側が高く、出口側が低く、という具合に、高低があります。水は、なんとなんと、この池より高い位置に立っているS先生宅の雨どいから、お庭の回遊道を迷路のようにつたって、入り込む仕掛けになっています。
 と、そう伺っても、なかなか納得できません。だって、本当にパチンコ台の中のパチンコ球のような流れ方をするなんて--。でも、雨の日に何度も何度も庭や雨どいからの水の通り道を確認され、またそのデータを基に土地の高低を替えて、その繰り返しで、うまく行くようになったそうです。すごい。
 
水は、もちろん庭の水道からも、ホースで引けます。

穴にはまず、青いビニールシートを2枚、敷きます。そうして丸太で固定します。それから、シートの先は土に埋め込んで、全体を池らしい形に整え、周囲に大きな石を置いて、さらに固定します。そうして・・・ あ、もうホースで水を引いちゃいました。うまく水が溜まって、ちゃんと出口から雑木林の中に流れ込んでいくかどうか試してみます。

大丈夫。うまく池になってくれそうです。水の出て行き方も問題ありません。

そのあと、底面に小さな玉砂利を敷きます。この玉砂利は、昨年、池を”たたんで”から、洗って保存されていたそうです。これは、引き揚げるのが大変なので、うまくいくか確かめてから敷くのです。

あ、池が濁っちゃいました。泥水となっています。

でもこれも大丈夫。入り口からホースで注入される水のおかげで、みるみる澄んでいきます。ゴミを掬い取ります。池底まで綺麗になってきました。
 本来なら、こういう作業は、人工的に水を注ぐのでなく、雨を待ってからやっても良いそうです。S先生宅から、お庭、そして池へと、かなりの高さの違いがあるので、大量の水が流れ、あっという間に池のお掃除もできるそうです。
 でもまあ、数日は雨降りにもなりそうも無いし、一日の演習では、一度に池づくりの過程が理解できたので、感謝、感謝!


池:途中


こんな具合になりました。あとは、数日S先生が様子をみて、うまく行っていれば、青いビニールシートを隠すために、周辺にもう少し小石をあしらうそうです。

そうそう、大事なことがもう一つ!!

その後、池底に大小の石をさらに配置します。大きな鳥も、小さな鳥も、水浴びできるように・・・。また、鳥によって、浅いところが好きなのも、深いところまで行っちゃうのもいるそうです。

どんな鳥が、どんな深さのお風呂を好み、どんな風に水浴びするのか、観察できたら面白いと思いませんか? もう一度、完成図を見学しに、S先生のところに伺いたくなってきました。

それにしても、早くわたしも、 my bird sanctuary で水浴び場を提供したいな。どんな子がお風呂に入ってくれるかな? 銭湯並みになるといいな・・・ 

S先生の雑木林のジョウビタキさん、お待たせしました。もうすぐ、入れるよ~
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